技術書典14にサークル参加したので振り返ろうと思います。
参加を決めてから開催日まで
参加のきっかけは3月の上旬頃にたまたま次のツイートを見つけてサークル参加meetupを見たからでした。
3月12日(日) 13:00からYouTube Liveにて「#技術書典 14 はじめてのサークル参加meetup」を開催します。 次回の技術書典にはじめて参加してみようかなと思っている方、同人誌の経験はあるけど技術書典ははじめてという方、ぜひお気軽にお越しください📚✨https://t.co/4Zl5QUnVdq
— 技術書典 公式アカウント (@techbookfest) March 9, 2023
その際、以前から何となく参加してみたいとは思っていたのと、来年度から社会人エンジニアとしてのキャリアがスタートするということもあって、やる気に満ちていたので応募しました。
内容決め
開催まで2ヶ月あるとはいえ、時間に余裕があるわけでもなかったので、勉強中でかつブログで記事を書いていたNMF(非負値因子行列分解)に関する内容+αに決めました。
当初はNMFの理論寄りの本について書こうとしていたのですが、範囲が広いのでどこまで書くかという問題と既存の本と被りそうだったので、内容を絞るところから始めます。
まず、NMFの理論に関する教科書はあるので、差別化はしておきたいところです。これについてはコードを加えることで、違いを出すことはできます。コードがあるNMFの本となると、機械学習ライブラリ(scikit-learn)を扱った本が該当します。このような本だとあまり数学的な話が少ない傾向があるので、機械学習ライブラリの使い方と実装アルゴリズムに関する数学的な内容を扱うのがいいのではないかと考えました。
ついでに、機械学習ライブラリで実装されている範囲であれば、NMF全般に比べて結構書くことが減ります。 加えて、scikit-learn特有の話を書ければ、独自性も出せて一石二鳥です。
以上のような感じで、書く本の方向性を決めました。
目次作成
方向性は決まっていたので、GPT-4に目次の大枠を作ってもらいました。目次作成には凄く使えますね。生成されたものを少し調整したら、ほぼ完成しました。あとは、執筆中に必要に応じて節を増やしたり減らしたりしました。
執筆
執筆は目次に沿ってひたすら書くだけです。
とはいえ、知識不足のために書くだけとはならず、文献調査と執筆を繰り返しながら進めました。
最終的に本文のページ数は32となり、この分量に対する執筆時間と調査時間の合計は約50時間でした。
似たような内容で32ページ分を作るなら私の場合はこれくらいかかるということになります。次回参加する際にどれだけ時間確保する必要があるかの参考になるため、時間を測っておいてよかったなと思ってます。
表紙作成
文字と図形(帯部分)を組み合わせたシンプルなデザインで自作しました。
次はもう少し凝ったものを挑戦してみたいと思っています。
サークル設営用の準備
3週間ほど前から準備し始めました。
設営に必要なものとして、テーブルクロスやその滑り止め、コピー用紙とクリアファイル(見本用)などを買いました。ちなみに、首掛けできる名札入れ買ったのですが、会場で出展者通行証(名札入れ付き)が配られたので必要なかったです。
ほかには、会場で配れるようにプライベート名刺を作りました。
その際、次の記事を参考にしました。
エンジニア向けの名刺を作成してみた - Qiita
オフライン当日(5月21日)
準備時間
電子+紙(後から印刷)のみにしたので、設営はすぐに終わりました。
設営が終わったら、近くのスタッフさんに頒布物の確認をしてもらいました。 その際に名刺について聞いたところ、配り歩くのはダメですが、自分のサークルスペースでは配ってよいとのことでした。
また、効果は定かではありませんでしたが、一応Twitterで宣伝もしておきました。
設営できました!
— AKi (@a03ki04) May 21, 2023
あき出版「し02」にいます
よかったら遊びに来てください!#技術書典 pic.twitter.com/58YbPG7HoO
あとは、お隣のサークルの方に挨拶をしたりしてました。
入場時間
少し足を止めてくれた方に声を掛けたりしてました。
その結果、5名の方に電子+紙を買っていただけました。
買ってくださり、本当にありがとうございました!
反省点としては、全体的に難しいそうという感想をいただいていたので、もっと図とかを使って見た目の難しさを減らす工夫ができれば良かったと思っています。
あとは、手に取ってくれた方への売り込みが足りなかったと感じています。例えば、学習済みモデルの非負重みを圧縮できて、パラメータ数も減らせますし高速化も可能です!みたいなもう少し今風の使い所を言えればよかったかもしれません。
買った本
気になった機械学習関連の本と量子コンピュータや量子力学の本を買いました。
1人での参加だったため、会場での購入は諦めていたのですが、お隣のサークルのそらまめさんが店番を引き受けてくれたので、色々と買うことができました。快く引き受けてくださり、その節は本当にありがとうございました!
オンライン期間(5月20日から6月4日)
電子版+紙1、電子版1でした。
買ってくださった方、本当にありがとうございました!
利益
結果はマイナスでした。
技術書典14 | |
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売上 | +3600 |
製本作成費 | -5500 |
サークル設営準備費 | -4700 |
名刺作成費 | -1341 |
オフライン参加費 | -1000 |
後から印刷キャッシュバック | +1650 |
合計 | -7291 |
初期投資分くらいは回収できるのではと思っていたのですが、楽観的な考えだったと言えます。商売って難しいですね。次回こそは黒字化したいです。
おわりに
本を作るって大変だということを実際に作ってみて改めて感じました。 表紙込み36ページですら大変だったのため、特に200ページ近く書いてる方の凄さがよくわかりました。本当に凄いです。
あとは、本を作りながら学ぶというのはインプットとアウトプットを両立できるためとても学習効果が高かったです。これについてはブログを書くことと同じではあるのですが、本には本の良さがある気がします。なんだかんだ、締切があるのがいいのかもしれません。とはいえ、締切には随分と苦しめられました。
技術書典15では、今回見つかった改善できそうな箇所を是非とも役立てたいです。
さて、次は何を書こうかな。